国連総会の焦点はプーチンのシリア政策

池内恵
執筆者:池内恵 2015年9月28日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ロシア 中東

 9月15日に開会している今年の国連総会、注目が集まるのは9月28日から始まる各国首脳級による一般討論演説である。その初日に、ロシアのプーチン大統領が登壇する。プーチンにとっては10年ぶりの国連総会・一般討論演説である。

 同日に米露首脳会談(および日露首脳会談も)が行われる見通しだが、ロシア側は演説や会談でシリア問題を主要な課題とする旨を盛んに発信している。30日にはロシアを議長国とする国連安保理で、シリア・イラクや北アフリカのテロ、すなわち「イスラーム国」問題を扱う協議が開かれるのと合わせ、ロシアは今国連総会をシリアを中心に対「イスラーム国」の軍事・外交で主導権を発揮する場にしようと全力を挙げている模様だ。

 それに対して米側は「ウクライナ問題が米露首脳会談の議題」と素知らぬふりを装う。しかしシリア問題に焦点を当て、有利な立場から交渉しようとするロシア・プーチン大統領の戦術は今のところ押し気味である。そもそもウクライナ問題をめぐっての米露首脳会談開催については米側が難色を示してきた。ところが、ロシアはシリアへの軍事支援を誇示した上でこの問題についての協議を迫ることで、会談を勝ち取った形だ

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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