パリ同時テロ:わかってきた「標的」(上)「バタクラン」はなぜ狙われたのか?

国末憲人
執筆者:国末憲人 2015年12月2日
エリア: ヨーロッパ 中東

赤丸が襲撃現場、青丸が関連施設、緑丸が「シャルリー事件」現場。上部左端の→をクリックすると施設名枠が表示され、枠内の丸をクリックすると地図上の丸とリンクします。上部右端の窓枠マークをクリックすると、別ウィンドウで地図が拡大されます。

 

 パリ同時多発テロの現場を最初に歩いたのは、発生翌々日の日曜日、11月15日のことだった。当時はまだ衝撃が抜けきれず、追悼に訪れた市民も、筆者自身も、言葉を失って茫然と立ちすくむ状態だった。

 事件から1週間あまりを経た日曜日の22日、これまで訪ねられなかったテロの現場、その後容疑者を追跡する過程で起きた銃撃戦の現場などを再び回った。また、24日には最初に回った現場を再訪し、「なぜ容疑者らがそこを狙ったのか」「標的は何だったのか」をもう1度考えた。

 

サンドニ移民の相当数は「ベルベル人」

 パリのテロを捜査する過程で、容疑者らがパリ北郊サンドニに隠れ、新たなテロを計画していることも明らかになった。18日早朝に急襲した治安部隊に対し、立てこもった容疑者らは激しく抵抗、結果的に容疑者側の3人が死亡し、治安部隊側にもけが人が出た。遺体を調べたところ、そのうちの1人がテロの首謀者アブデルアミド・アバウドだと判明した。彼はブリュッセル郊外モレンベークで暮らしていたモロッコ系ベルギー人で、昨年ブリュッセルで起きたユダヤ博物館襲撃事件、今年8月の国際特急「タリス」車内発砲事件でも黒幕だったと見なされる。シリアに渡り、当地から指令を出していたと考えられていたが、実はひそかにフランスに入っていたのである。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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