パリ同時テロ:わかってきた「標的」(下)「11区」に集う人々

国末憲人
執筆者:国末憲人 2015年12月3日
エリア: ヨーロッパ 中東

赤丸が襲撃現場、青丸が関連施設、緑丸が「シャルリー事件」現場。上部左端の→をクリックすると施設名枠が表示され、枠内の丸をクリックすると地図上の丸とリンクします。上部右端の窓枠マークをクリックすると、別ウィンドウで地図が拡大されます。

 

 イスラム政治研究者ジル・ケペルによると、敢えてそうすることでフランス社会に亀裂を生じさせようとしているのだという。シリア人政治思想家アブムサブ・スーリーが著し、イスラム過激派の間で共有されているテロの指南書『世界イスラム抵抗運動への呼びかけ』には、彼らが狙うべき標的として以下の3者が明確に挙げられているそうだ。

【1】反イスラムの左派系インテリ

【2】裏切り者(イスラム教徒でありながらフランスの警察や軍に勤める人物)

【3】ユダヤ人

 インテリが標的になったのは、『シャルリー・エブド』に典型的だ。警察官についても、クアシ兄弟やアメディ・クリバリは凶行の過程で射殺している。これらと合わせてユダヤ人を狙うことで、こうした標的を守ろうとするフランス社会一般とイスラム教徒との間を分離し、そこに紛争を起こそうとするのである。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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