次期中国大使人事「日本重視」は本当か?

村上政俊

 習近平指導部が知日派外交官(邱国洪駐韓国大使)の駐日大使起用を検討しているのは日中関係重視の表れだ――という解説が12月第3週の一部新聞紙上に躍った。中国に気配りした、いわゆる左派的配慮が働いての結果であれば、単なる「提灯記事」と片付けられるが、心底からの分析なら、大手新聞の外交音痴ぶりを垣間見ることができる一件なのかもしれない。

 

「大物大使」の3要件

 大使人事は、時の各国政府が相手国との2国間関係をどれくらい重視しているかの写し鏡だ。米国を例にとると、駐英大使経験者からは、モンロー主義で著名なモンローら5人の大統領が輩出しており、駐仏大使には、現行100ドル札紙幣の肖像であり避雷針を発明したベンジャミン・フランクリンがいた。
 そもそも「大物大使」の要件とは次の3つのうちのどれかに該当する場合だろう。①著名人・有力政治家、②首脳との個人的信頼関係が厚い側近・腹心、③各国外務省のエース級の3つだ。一方で、各国駐日大使の中には、日本語に堪能であったり、駐日大使館での勤務経験が豊富であったりするいわゆる「ジャパンスクール」出身の外交官も多いが、単にジャパンスクール出身というだけでは「大物大使」の要件を満たしているとは言い難いだろう。外務省非エース級のジャパンスクール出身大使は④と分類しておく。

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執筆者プロフィール
村上政俊
村上政俊 1983年7月7日、大阪市生まれ。現在、同志社大学嘱託講師、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。東京大学法学部政治コース卒業。2008年4月外務省入省。国際情報統括官組織第三国際情報官室、在中国大使館外交官補(北京大学国際関係学院留学)勤務で、中国情勢分析や日中韓首脳会議に携わる。12年12月~14年11月衆議院議員。中央大学大学院客員教授を経て現職。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国 』(石平氏との共著、ワック)。
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