「党派対立」の中でのオバマ大統領「最後」の一般教書演説

足立正彦
執筆者:足立正彦 2016年1月12日
カテゴリ: 国際 政治 社会
エリア: 北米

 米国東部標準時間(EST)の1月12日夜(日本時間13日朝)、オバマ大統領は「一般教書演説(State of the Union Address)」を行う。同演説は、年初に大統領が米議会上下両院合同本会議で「国の現状(the State of the Union)」について報告を行うとともに、今後1年間に取り組むべき優先政策課題に焦点を当てる、米国政治にとり重要な政治イベントである。1月最終週の火曜日に行われることが慣例となっているが、今回は2週間も前倒しして行う。オバマ大統領の任期は残り1年となり、1年後の1月20日にはホワイトハウスを去ることになるため、オバマ大統領にとり最後の機会となる。

 

共和党主導の米議会

 大統領は「一般教書演説」の中で、米議会に対して今後1年間で優先すべき政策課題の法案可決を要請するのが通例である。だが、オバマ大統領は今回、より強固かつより繁栄した米国を次世代に引き継ぎ、そのために米国民が今後数年間ともに取り組むべき課題に焦点を当てて国民に訴える方針であることを、1月6日に公表したビデオの中で明らかにしている。

 この背景には、2014年中間選挙で歴史的大敗を喫した与党・民主党は上院でも8年ぶりに多数党の立場を野党・共和党に明け渡し、上下両院ともに共和党が多数党になったことがあると考えられる。共和党主導の米議会にはオバマ大統領を立法面で支えていこうというベクトルは全く働いておらず、むしろオバマ大統領と対峙しようとするベクトルの方がはるかに強く働いている現実がある。そうしたオバマ政権との対決に傾斜しつつある共和党主導の米議会の現在のムードを反映するかのように、第114議会第2会期が召集された直後、下院本会議でオバマケアの廃止を求める法案が共和党議員の賛成多数で改めて可決されている。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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