世界に遅れる日本の「人工知能研究」のお粗末

長倉克枝

 3月9日、米Google傘下のベンチャー企業が開発した人工知能「Alpha Go(アルファ碁)」が世界トップレベルのプロ棋士に勝利、翌日とさらに12日の第3局まで3連勝した。囲碁はチェスや将棋とくらべて人工知能には困難なゲームとされる。2014年には、人工知能が囲碁でトップクラスの棋士に勝つには10年かかると言われていたが、ここ数年で想定以上に人工知能技術が進歩しているのだ。

 ところが、人工知能で大きな成果を上げているのは、「Google」や「Facebook」といった海外IT企業ばかりだ。

「人工知能分野の日本の評価はとても悲しい結果。惨憺たる状況だ」――。国立情報学研究所ビッグデータ数理国際研究センター長の河原林健一氏はそう嘆く。国内の人工知能研究の足元はおぼつかない。すでに海外から大きく後れを取っている上、政策の方向性も定まっていないのだ。

 

海外勢の後塵を拝す日本

 研究開発の指標の1つが、国際学会や論文誌での論文の採択数だ。河原林氏によると、人工知能や機械学習の分野で著名な国際学会で採択される日本人著者の論文数は全体の2〜3%ほど。単純に比較はできないが、自然科学分野全体で『ネイチャー』などのトップ論文誌に掲載される日本人著者の比率7~8%と比べても低い。

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執筆者プロフィール
長倉克枝
長倉克枝 ライター・編集者。1981年名古屋生まれ、北海道大学獣医学部卒。日本経済新聞社記者(科学技術部、証券部)などを経てフリー。「日経サイエンス」「wired」「週刊朝日」などに執筆。関心領域はIT全般、テクノロジーと経済、社会保障。
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