テロリストはなぜ「兄弟」ばかりなのか

国末憲人
執筆者:国末憲人 2016年3月30日
エリア: ヨーロッパ 中東
またもや兄弟テロリストたちの犯行だった(C)AFP=時事

 

 欧州連合(EU)の機能が集中するブリュッセルを襲った連続テロは、欧州では昨年11月のパリ同時多発テロに続く大規模テロとなった。犠牲者は30人以上、負傷者は300人以上という惨事である。発生後間もなく、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出した。

 その後時間を経るとともに容疑者像も次第に明らかになってきた。最初にブリュッセル空港で起きた爆発では、自爆した2人がもう1人と並んでカートを押す写真が公開された。その1時間後に地下鉄マルベーク駅で起きた爆発も自爆と見られる。容疑者グループはパリの同時多発テロのグループとつながっており、むしろパリの一団の残党が今回のテロを実行したと見るのが妥当だろう。

 過激派グループの全体像については今後徐々に解明されるだろうが、今回はやや違う視点から事件を見てみたい。空港で自爆したうちの1人、カートの写真だと3人の真ん中にいるのが、イブライム・エルバクラウイ(29)という男である。地下鉄で自爆したのがカリド・エルバクラウイ(27)という男。この2人は兄弟だ。ここに「またか」と既視感を抱かないだろうか。

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執筆者プロフィール
国末憲人
国末憲人 1963年生れ。85年大阪大学卒。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。富山、徳島、大阪、広島勤務を経て2001-04年パリ支局員。外報部次長の後、07-10年パリ支局長を務め、GLOBE副編集長、本紙論説委員のあと、現在はGLOBE編集長。著書に『自爆テロリストの正体』(新潮新書)、『サルコジ―マーケティングで政治を変えた大統領―』(新潮選書)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』(いずれも草思社)、『ポピュリズム化する世界』(ダイヤモンド社)、共著書に『テロリストの軌跡―モハメド・アタを追う―』(草思社)などがある。
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