クリントン候補の「脆弱性」を検証する

執筆者:足立正彦 2016年5月20日
エリア: 北米 アジア

 民主党の大統領候補指名獲得争いは、リベラル派・左派や若年層の支持を受けたバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)が、ここにきても撤退する気配すら見せていない。5月17日に行われたケンタッキー州予備選挙では、ヒラリー・クリントン前国務長官がサンダース氏を辛うじて振り切ったものの、西部のオレゴン州予備選挙ではサンダース氏が勝利し、指名獲得争いの最後まで闘い続ける意志を明確にしている。

 だが、残りの予備選挙、党員集会はカリフォルニア州やニュージャージー州をはじめ6州と首都ワシントンなどだけであり、選出される代議員数はわずか930名となった。ケンタッキー、オレゴン両州での予備選挙を終えた時点でのクリントン氏の獲得代議員数は、一般代議員1767名と特別代議員524名の合計2291名に達しており、指名獲得に必要な過半数の2383名まであと92名となった。他方、サンダース氏は一般代議員1488名、特別代議員40名の合計1528名であり、クリントン氏が763名という大差をつけている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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