ダッカのカフェ「ホーリー・アーティザン・ベーカリー」へのテロ事件の要点

池内恵
執筆者:池内恵 2016年7月3日
カテゴリ: 外交・安全保障 国際

バングラデシュのダッカ中心部グルシャン(Gulshan)地区で7月1日夜(9時20分ごろ)に、カフェ、ホーリー・アーティザン・ベーカリー(Holey Artisan Bakery)で発生したテロは、翌朝にバングラデシュの治安当局が突入して犯行集団の一部を逮捕、一部を殺害してひとまず終わった。日本の開発援助関係者7名を含む、20名の外国人が殺害された。犯行集団は全員バングラデシュ人であったとバングラデシュ政府は発表している

まだ不明の部分は多いが、この事件が、バングラデシュ政府、そしてイスラーム世界に関与する日本など外部の政府および関与する個人にとっても、大きな課題を突きつけていることは疑いようがない。

「イスラーム国」の犯行と言えるのか?

「イスラーム国」関連の情報をしばしば流す「アウマーク通信」が、インターネット上で複数回犯行声明を出し、犯人とされる人物の事件前の写真を複数公開しているが、実際に事件を指示したかどうかは分からない。また、犯行声明を出した勢力がシリアやイラクの「イスラーム国」と直接の関係があるかも不明だ。

バングラデシュの現地の勢力が「イスラーム国」を名乗っているということも考えられるし、シリアやイラクの「イスラーム国」と繋がる勢力が、バングラデシュのジハード主義の諸勢力の一部を傘下に入れた可能性もある。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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