TPP「早期批准」を阻む米有権者の「反自由貿易感情」

足立正彦
レガシーでTPPにこだわる現大統領と、当選のためにTPPを否定する次期大統領の有力候補(C)EPA=時事

 

 2017年1月20日にバラク・オバマ大統領は2期8年に及ぶ大統領職を離任することになっており、残り任期はわずか5カ月足らずとなった。残り少ない大統領在任中にオバマ大統領が自らの「業績(レガシー)」の一環として、現在推進を図ろうとしているのが、環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案の米議会による批准問題である。だが、米議会の抵抗などにより厳しい状況に直面している現実がある。

 

TPP批准に意欲的なオバマ大統領

 11月8日に投票が行われる大統領選挙、連邦議員選挙後に召集される米議会のレームダック会期でTPP関連法案が批准され、離任前に自ら同法案に署名し、正式に発効することにオバマ大統領は強い期待を寄せている。8月2日にシンガポールのリー・シェンロン首相を国賓としてホワイトハウスに迎えたオバマ大統領は、首脳会談でTPPの早期批准の必要性を強調した。さらに首脳会談後の共同記者会見でも改めてTPPの重要性に言及しつつ、大統領選挙及び連邦議員選挙後にTPPの利点について理解されるとの楽観的見方を明らかにしている。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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