クリントンの「チャイナ・コネクション」(上)「力宝集団」総帥の流儀

樋泉克夫
不正献金問題も再燃したが……(左奥はジョー・バイデン現副大統領)AFP=時事

 

 近年では稀にみる凡戦とも評されながらも、アメリカ大統領選挙は最終ゴールに向かって白熱化しているようだ。トランプ陣営に一時の勢いが感じられず、やはりクリントン有利に選挙戦が展開されていると伝えられるが、そこで俄かに注目を集めているのがヒラリー候補(というよりクリントン夫妻というべきだが)と中国との関係である。かりにヒラリー・クリントンがホワイトハウスの主となった場合、クリントン夫妻を抱え込んでいるであろう「チャイナ・コネクション」が動きだし、アメリカの中国政策に陰に陽に影響を与えることになるのではないかという懸念があることからだろう。

 事の性質上、クリントン夫妻のチャイナ・コネクションの全容を明らかにすることは難しそうだ。だが、インドネシア籍華人企業家で「力宝(リッポー)集団」を率いる李文正(モフタル・リアディー/1929年~)との関係をたどれば、あるいは同夫妻を取り囲むチャイナ・コネクションの大枠が明らかになるようにも思える。それは同時に、政商的振る舞いの目立つ華人企業家によるワシントン中枢への接近ぶりを窺い知ることができるだけではなく、彼らを仲介役にしての北京による対米政治工作の一端を炙り出すことにも繋がるのではなかろうか。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫
樋泉克夫 愛知大学教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年より現職。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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