「ドイツ銀行パニック」のメカニズムと世界金融への影響

執筆者:青柳尚志 2016年10月18日
システム上重要な、グローバルな銀行間の「システミックリスク」を表わした相関図。緑色が日本のメガバンクを含むアジアの、紫色が米国の、そして青色が欧州のグローバルバンク(IMF報告『FINANCIAL SYSTEM STABILITY ASSESSMENT』より)

 

 欧州金融界の巨人、ドイツ銀行が漂流している。直接のきっかけは、米司法省が米国で不適切な金融商品の販売に対し、140億ドル、つまり1.4兆円余りの巨額和解金をふっかけたことだ。元々の経営が揺らいでいたこともあって、たちまち経営不安の悪いうわさが一瀉千里を走った。国際金融システムの中心に位置するドイツ銀に万一のことがあったら、新たなリーマン・ショックが起きかねないというのだ。

 

崖っぷちのドイツ銀行

 今回の和解金騒動の発端は、2005年から2007年にかけてドイツ銀が米国で販売した住宅ローン担保証券(RMBS)。住宅ローンを多く集めてプールして、債務の優先順位が高いものから切り分けて、投資家に販売したものである。

 その中に、焦げ付きが多発したサブプライムローン(信用度の低い個人向けの住宅融資)が含まれていたことで、大騒ぎとなった。米国の住宅ブームがピークを迎えたのが2006年半ばで、リーマン・ショックが起きたのは2008年9月である。まさに、住宅価格が素っ高値のときに、ドイツ銀は住宅ローンを加工した金融商品を大量に、製造販売したのだ。

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