深刻さ増す「国内消費低迷」の犯人

執筆者:磯山友幸 2016年11月2日
エリア: アジア
こうした「爆買いツアー」も一服した感はあるが……(C)時事

 

 国内消費の低迷が一段と深刻になってきた。日本百貨店協会が10月20日に発表した今年9月の全国百貨店売上高は4233億円と、店舗数調整後の前年同月比で5.0%減となり、7カ月連続のマイナスとなった。前月8月のマイナス6.0%に続いて大きなマイナスを記録し、消費の悪化を如実に示した。

 百貨店の販売不振の一因に、中国人観光客の「爆買い」一服があるのは確かだ。観光客が百貨店で免税手続きをした売上高は10.1%減と、6カ月連続の前年同月割れとなった。高級ブランド品が飛ぶように売れていた1年前とはすっかり様相が変わっている。

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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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