「トランプ勝利」で激変した共和党「ライアン下院議長」の立場

執筆者:足立正彦 2016年11月22日
会談はしたけれど、当然ながら、まだギクシャクした雰囲気が漂う2人(C)AFP=時事

 

 周知のとおり、米国大統領選挙は民主党大統領候補のヒラリー・クリントン前国務長官が勝利するという事前の大方の予想は覆され、共和党候補のドナルド・トランプ氏が歴史的勝利を収めた。

 投票日直前まで、トランプ氏は果たして敗北を受け入れるのか、あるいは敗北後の共和党の再建はどうなるのか、などといった議論が現地メディアでは展開され、クリントン候補の勝利が当然視されていた。だが、トランプ氏の勝利によって、将来が大きく変化してしまった関係者が各方面に数多く存在している。クリントン新政権発足を当然視し、政権入りを狙っていた民主党関係者もそうした人々であろう。また、大統領選挙キャンペーンでトランプ氏不支持を表明する一方、クリントン候補への支持を表明していた共和党系の外交・安全保障の専門家の一部も、クリントン政権で外交政策を担当する準備をしていたため、将来が大きく変わってしまった。そして、敗北を覚悟していたトランプ陣営の関係者の一部の将来も、全く別方向へと大きく変わろうとしている。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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