「領土ゼロ回答」だったプーチン大統領訪日

会談に臨むロシアのプーチン大統領(左)と安倍晋三首相(12月15日午後、山口県長門市の大谷山荘)[代表撮影](C)時事

 12月15、16日のプーチン・ロシア大統領の訪日は、北方4島での共同経済活動に向けた協議開始で合意し、82の経済協力案件の文書に調印したが、本丸の北方領土交渉は進展がなく、むしろ後退した印象となった。「平和条約交渉に向けた第1歩だ」(安倍晋三首相)といっても、今後の展望は見えない。領土交渉はしばらく凍結され、次の展開は2018年3月のロシア大統領選後となりそうだ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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