ベルリンのテロで容疑者のチュニジア人難民申請者を追跡中

池内恵
執筆者:池内恵 2016年12月22日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ヨーロッパ 中東
ドイツの首都ベルリンで、クリスマス市に突入したトラック(事件の翌日12月20日に撮影)(C)AFP=時事

 ドイツのベルリンで12月19日の夜8時過ぎ(現地時間)に起きた、中心部の広場で開かれていたクリスマス・マーケットにトラックが突入して12人を殺害したテロ事件で、トラックに残されていた滞在許可証に基づき、チュニジア人の難民申請者が容疑者として手配され、欧州のシェンゲン協定エリア全域で追跡が進んでいる。(ロイターによる捜査状況のアップデート)。

容疑者は難民申請者で滞在許可証を所持

 現状では容疑者のファーストネームと苗字(あるいは父の名)のイニシャルの「アニース・A」が報道で明かされている(徐々に報道ではAnis Amriと特定されるようになっている)。容疑者は1992年にチュニジア南部のタタウィーンで生まれた。シリアなどからの難民の西欧への流入が最高潮に達し、特にドイツを目指す流れが大規模に生じかけていた2015年7月にドイツ西部に到達し、難民申請を行ったが認定されなかった。しかし滞在許可(Duldung)を得て滞在していた人物による犯行ということになれば、ドイツのメルケル首相が推進してきた難民積極受け入れ政策に、ついに致命的な打撃を与えることになるのかもしれない。

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執筆者プロフィール
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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