「インド最大州」を揺るがす前代未聞「骨肉の争い」

執筆者:緒方麻也 2017年1月17日
タグ: インド
エリア: アジア
2012年、州首相に就任したばかりの息子アキレーシュ(左)と、現インド大統領のプラナブ・ムカジーが抱き合う右隣で見守る父ムラヤム。この頃から父子の関係は悪化し始める(C)AFP=時事

 

 インド北部・ウッタルプラデシュ(UP)州は、世界的な観光地タージ・マハルやヒンドゥー教の聖地ヴァラナシー、工業都市カンプールなどを擁し、2億人超の人口を抱えるインド最大の州である。しかも、イスラム教徒やカースト最下層の不可触民などが多数居住しており、貧困や汚職、社会正義の揺らぎなどがしばしば問題となってきた文字通りの「インドの縮図」だ。近年の州議会選挙では、中央の前政権党・国民会議派や、現中央与党のインド人民党(BJP)がいずれも安定多数を獲得できず、地域政党による政権交代が続いている。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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