筆者が知る限り、米国のトランプ大統領がアフリカについて発言したことは、選挙期間中も就任後もない。先進諸国の主要メディアや有識者も、トランプ政権の欧州、ロシア、中東、中国、日本、メキシコなどに対する政策については盛んに議論しているが、対アフリカ政策についての議論はほぼ皆無と言って差し支えないだろう。
21世紀に入ってアフリカ経済が成長軌道に乗ったとはいえ、サブサハラ・アフリカ49カ国のGDP(国内総生産)総額が世界のGDPに占める割合は2%程度に過ぎない。いくら米国が覇権国家だとはいえ、大統領選の過程で対アフリカ政策が話題に上らないことや、新大統領が就任早々アフリカについて何も言及しないこと自体は、それほど不自然なことではない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン