厚労省「全面禁煙」案は自民党の反対で「風前の灯」

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2017年3月27日
カテゴリ: 政治 社会 医療 国際
エリア: 日本
2016年5月の「伊勢志摩サミット」では、国際メディアセンター内のレストラン入り口にこんな看板が(C)時事

 

 厚生労働省が打ち出している「飲食店での全面禁煙」案が、自民党の反対によって風前の灯になっている。厚労省は、他人が吸っているタバコの煙を吸い込む「受動喫煙」の防止対策を盛り込んだ「健康増進法改正案」に、公共の施設や公共機関での禁煙に加え、飲食店での全面禁煙を掲げたが、外食業界などの意向を受けた一部の自民党議員が強硬に反対しているのだ。

 実は、国際オリンピック委員会(IOC)や世界保健機関(WHO)が、「タバコのない五輪」を推進しており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、対策を急ぐ必要に迫られている。飲食店での全面禁煙は先進国ではすでに導入されており、世界的な潮流になっている。

世界では「分煙」もアウト

 2012年にオリンピックを開催した英国・ロンドンは建物内を全面禁煙とし、罰則を設けた。昨年オリンピックを開催したブラジルのリオデジャネイロでも、飲食店の敷地内では一切タバコが吸えなかった。また、2018年に平昌での冬季五輪を控える韓国でも、すでに建物内は全面禁煙になっている。

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執筆者プロフィール
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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