「マスターズ」宴の後の「祝杯」「苦杯」「悔杯」

舩越園子
執筆者:舩越園子 2017年4月12日
プレーオフをバーディーで制した瞬間、歓喜の雄叫びをあげたガルシア(C)EPA=時事

 

 マスターズ19回目、メジャー74大会目にして、ついに勝利を掴んだセルジオ・ガルシア(スペイン)がグリーン・ジャケットを羽織る恒例の儀式に臨んでいたちょうどそのころ、今年から新装されたプレス・ビルディングでは、プレーオフのうえ苦杯をなめたジャスティン・ローズ(英国)の敗北会見が行なわれていた。

 今年は本当にいろんなことが起こったマスターズだった。開幕前の練習日は雷雨に見舞われてコースが何度もクローズ。予選2日間は寒波と強風に襲われ、世界のトッププレーヤーたちの戦いは我慢比べの様相を呈した。

 優勝候補の筆頭に挙げられていた世界ランキング1位のダスティン・ジョンソンは、開幕前日に宿舎として借りていたコース近郊の民家の階段で転落。腰と左ひじの痛みと腫れは事故から初日のティオフまでの23時間では治らず、練習場から1番ティに向かう途上、「棄権」という苦渋の決断を自ら下した。

 ジョンソン不在の4日間、選手たちはさまざまなドラマを繰り広げたが、最後に優勝を競い合ったのは37歳のガルシアと36歳のローズ。首位に並んで72ホール目を迎えた2人は、そのままプレーオフ1ホール目の18番へ進み、5メートルのバーディーパットを沈めたガルシアの勝利で幕を閉じた。

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執筆者プロフィール
舩越園子 在米ゴルフジャーナリスト。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。
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