朝鮮半島「4月危機」騒乱(1)洗い直された米「対北朝鮮政策」

米中首脳会談では、北朝鮮問題に関する意思疎通のパイプはできた (c)AFP=時事

 

 北朝鮮は4月25日に朝鮮人民軍創建85周年を迎えたが、米国などが原子力空母カール・ビンソンを朝鮮半島周辺に派遣して圧迫するという状況下、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験など、米国のレッドラインを超えるような挑発は控えた。

 北朝鮮は、軍事パレードを4月15日の金日成(キム・イルソン)主席誕生105周年に前倒しし、同25日の人民軍創建85周年では、元山付近で大口径の大砲300門以上を動員して砲撃訓練を行うという史上最大規模の「合同打撃示威」を行った。北朝鮮は、対応を「抑制された挑発」に留めた。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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