被災地の「心のケア」現場で聞いた「東北で良かった」発言

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2017年5月11日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: 日本

 

4月26日、復興相の辞表を提出後、取材に応じる今村雅弘氏 (C)時事

 

「ニュースで聞いた時はあまりにもばかばかしく、誰が聞いてもおかしいと思った。震災が東京以外で良かったという発想。復興大臣としてとんでもない暴言だとは小学生でも分かる。あきれ果てたが、診察室で患者さんたちと話をしていたら、怒りとか、笑い飛ばすとかでは済まないものがある、と気づき、心に穴が開いたみたいに落ち込んだ」

 東京電力福島第1原発から北に約45キロ。福島県相馬市に、被災者の心のケア支援の場として2012年1月、同県内を中心に精神医療者有志が開設した「メンタルクリニックなごみ」がある。翌13年春から2代目院長となった蟻塚亮二医師(70)は、4月25日に報じられた今村雅弘前復興相の自民党二階派のパーティーでの発言について、こう語った。蟻塚さんは着任後、相馬地方など原発事故被災地の住民約2000人を診療した経験を昨年6月、『3・11と心の災害』(大月書店)にまとめて刊行し、筆者は河北新報の連載「被災者いまだ癒えず」で紹介させてもらった。以来、取材を重ねてきた。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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