オバマケア改廃案「下院通過」の衝撃(上)米国だけで激増する「絶望の死」

執筆者:大西睦子 2017年5月15日
エリア: 北米
就任直後、最初に署名した大統領令がオバマケア廃止を命じるものだった(C)EPA=時事

 

 2015年にノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学経済学部アンガス・デイトン教授と、妻である同学部アン・ケース教授による、同年に発表された「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)の論文は、世界中に大きな衝撃を与えました。報告では、「1999年~2013年の間、米国の白人中年(45~54歳)の 死亡率が増え続けている」、「原因は、薬物、アルコール、自殺による絶望の死である」という事実が指摘されました。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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