韓国「文在寅政権」誕生(3)「衝撃人事」で大ナタを振るう「検察改革」

執筆者:平井久志 2017年5月30日
エリア: アジア
民情首席秘書官に任命された曺国・ソウル大学法学専門大学院教授(右)。検察改革を担う (c)EPA=時事

 

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「改革」の意思を最も鮮明に示しているのが、司法改革だ。特に検察改革が注目を集めている。検察は、建前としては権力から独立した存在とされている。しかし、政権が力を持っている時期には政権の「刀」として活用され、政権がレームダックを迎える時期になると、検察は自己保全のために次期政権をにらみながらレームダック政権に捜査の手を伸ばす、というのがこれまでの実態だった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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