「共謀罪」と「国連」(下)「特別報告者」への誤謬と誤解

鈴木一人
執筆者:鈴木一人 2017年6月1日
エリア: 日本

 

安倍首相はグテーレス事務総長(写真)から、特別報告者の声明は「国連の総意ではない」と聞いた、というが……(c)EPA=時事

 ここまでひと通り人権理事会と特別報告者制度について見てきたが、この制度があまり知られていないこともあり、いろいろと誤解が生じているようである。管見の限りだが、見聞きした誤解についてコメントしておきたい。

「共謀罪」調査だけの任命ではない

 ケナタッチ氏が特別報告者に任命されたのは、先に紹介した決議が採択された2015年7月であるが、この時確かに、日本は人権理事会の理事国であった。なお、日本は人権理事会設立の2006年からずっと理事国という説明をする人もいるが、3期連続で理事国にはなれないため、それは間違い。日本は前身の人権委員会は1982年以降ずっとメンバーであったが、人権理事会では2006~2011、2013~2015、2017~2019と断続的であり、連続してメンバーであったわけではない。

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執筆者プロフィール
鈴木一人 すずき・かずと 北海道大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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