米国務省の不思議な声明から間を置かずサウジでは皇太子更迭の政変

執筆者:池内恵 2017年6月21日
エリア: 中東
突如解任されたムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子(右)に話しかける、国王実子のムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子(新皇太子)(C)AFP=時事

 

早朝の王令発表

サウジアラビアで政変である。6月21日朝、サルマーン国王による勅令が続けざまに発出され、ムハンマド・ビン・ナーイフ(MbN)皇太子(副首相・内相を兼任)が皇太子及びすべての役職から解任され、サルマーン国王の実子のムハンマド・ビン・サルマーン(MbS)副皇太子が皇太子に任命された。国王が甥の皇太子を解任して実子の副皇太子を昇格させた形である。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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