「休戦状態」が破れた中南米での「中国・台湾」覇権争い

執筆者:遅野井茂雄 2017年6月26日
エリア: 中南米 アジア
蔡英文総統(左から2人目)の初外遊先は、パナマだった。それから1年で断交の憂き目に (C)AFP=時事

 

 6月13日、中国とパナマは国交樹立を宣言。台湾は、世界における台湾外交の拠点とも言える中米・カリブ海地域での要の友好国との外交関係を突如断たれることになった。

 中国とパナマが国交を結ぶまで、世界で台湾を承認する国21カ国のうち、過半の12カ国が中南米に集中していた。そのうち南米はパラグアイのみ、残り11カ国は中米カリブ海地域の小国である。(現在の台湾承認国は別表参照)

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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