イエメン制裁違反を疑われる「イラン」に米「不可解」対応

泥沼化した内戦と海上封鎖で、首都サヌアでも燃料が欠乏。料理用の薪が売られている (C)EPA=時事

 

 アメリカ時間の2月26日、イエメン制裁に関する国連安全保障理事会の会合が開催され、そこではイギリスによる決議案とロシアが提出する決議案の2つが討議された。イギリス案に対してはロシアが拒否権を発動して決議が成立せず、ロシアが提出したイエメン制裁の専門家パネルの継続決議のみが、全会一致で採択されるという結果となった。日本ではイエメン内戦やイエメン制裁についての報道があまりないだけに、ここで少し解説をし、なぜ2つの決議案が出たのかを整理しておきたい。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
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