ガラス細工の「米朝首脳会談」(2)五輪閉会式から始まった「南北首脳会談」決定の舞台裏

平井久志
執筆者:平井久志 2018年3月15日
エリア: 北米 朝鮮半島
訪朝した、鄭義溶国家安保室長(左から2人目)ら韓国特使団と金正恩党委員長(同3人目)。尹建永国政状況室長(左端)は右手にカバンを持つ(『労働新聞』HPより)

 

 ドナルド・トランプ米大統領は3月13日、レックス・ティラーソン米国務長官を解任、後任にはマイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官を起用する考えを示した。5月までに米朝首脳会談を行うと表明した直後だけに、また激震が走った。

『AP通信』によると、ジョン・ケリー大統領首席補佐官が3月9日、アフリカ訪問中のティラーソン長官に電話し、自発的に辞任しなければトランプ大統領が即座に行動を取ると伝えたが、ティラーソン国務長官はこれを拒否したという。ケリー補佐官の通告は、トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談受け入れを明らかにした翌日のことだった。米朝首脳会談の開催受け入れも、ティラーソン国務長官には何の相談もなく進められたようだ。トランプ大統領は米朝首脳会談をめぐり、対北朝鮮政策でずっと意見の合わないティラーソン国務長官では自分の思い通りに進められない、と判断した可能性がある。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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