ガラス細工の「米朝首脳会談」(2)五輪閉会式から始まった「南北首脳会談」決定の舞台裏

訪朝した、鄭義溶国家安保室長(左から2人目)ら韓国特使団と金正恩党委員長(同3人目)。尹建永国政状況室長(左端)は右手にカバンを持つ(『労働新聞』HPより)
ドナルド・トランプ米大統領は3月13日、レックス・ティラーソン米国務長官を解任、後任にはマイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官を起用する考えを示した。5月までに米朝首脳会談を行うと表明した直後だけに、また激震が走った。
『AP通信』によると、ジョン・ケリー大統領首席補佐官が3月9日、アフリカ訪問中のティラーソン長官に電話し、自発的に辞任しなければトランプ大統領が即座に行動を取ると伝えたが、ティラーソン国務長官はこれを拒否したという。ケリー補佐官の通告は、トランプ大統領が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談受け入れを明らかにした翌日のことだった。米朝首脳会談の開催受け入れも、ティラーソン国務長官には何の相談もなく進められたようだ。トランプ大統領は米朝首脳会談をめぐり、対北朝鮮政策でずっと意見の合わないティラーソン国務長官では自分の思い通りに進められない、と判断した可能性がある。

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