インテリジェンス・ナウ

見えた「米韓情報機関」の緊密度:米朝首脳会談合意の秘密

執筆者:春名幹男 2018年3月26日
エリア: 北米 アジア
米朝首脳会談の準備をCIA長官として進めたポンペオ氏。会談には国務長官として臨む (C)AFP=時事

 

 突然決まったドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談の開催。いつ、いかにして、なぜ合意ができたのか。今も全容が解明されたとは言えない。

 その裏側では、米国の中央情報局(CIA)と韓国の国家情報院(NIS)の間で、異例の緊密な協力が進められてきたことが明るみに出た。

大統領はいつ知った

 3月8日木曜日のホワイトハウス。3日前の5日に訪朝した際、トランプ大統領にあてた親書を金委員長から預かった韓国の特使、鄭義溶(チョン・ウィヨン)大統領府国家安全保障室長と徐薫(ソ・フン)NIS院長はその日の朝、ワシントンに到着。午後に鄭室長はH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、徐院長はジーナ・ハスペルCIA副長官と会談した。マイケル・ポンペオCIA長官は出張中で不在だった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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