イラン制裁専門家パネルから見た北朝鮮「国連捜査」の現場(1)

2010年6月9日、核開発問題でイランに対する追加制裁を決議する、国連安全保障理事会 (C)EPA=時事

 

 2017年末に出版された、国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元メンバーの古川勝久さんが書かれた『北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録』(新潮社)が大きな話題を呼んだ。ちょうど北朝鮮への制裁が強化され、石炭や鉄鉱石の輸出などが禁じられただけでなく、石油精製品の輸入なども禁じられるようになり、その制裁をくぐり抜けるために洋上で「瀬取り」と呼ばれる物資の受け渡しが行われているとの報道が増えた時期でもあったため、高い関心をもってこの本が読まれるようになった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top