岩瀬昇のエネルギー通信 (34)

ベネズエラ「5月20日大統領選」でトランプ政権「石油禁輸」か

「IEA月報」2018年4月号より

 

 年初に油価が上昇し始めていた頃、筆者は「本格的上昇の前に、春までに一度下落する」と判断していた。需給バランスが回復(リバランス)するのは2018年後半になってからで、当座の価格上昇は投機筋が勝負をしているだけ、歴史的とも言われる水準にまで買い持ち(ロングポジション)を膨らませているファンド筋は、春が来る前に一度ポジションを解消し利食いをする、と読んでいたのだ。

 ただし、ベネズエラなどの不測の地政学リスクが爆発しない限り、との条件を付けていた。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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