日系ブラジル人の「帰国ラッシュ」と人口減社会

出井康博
執筆者:出井康博 2013年1月29日
カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
エリア: 中南米

 日本国内に住むブラジル国籍者の数が減り続けている。ピーク時の2007年には約32万人に達していたが、11年末現在で21万人程度まで落ち込んだ。他国籍の外国人と比べても、急減ぶりが際立つ。

 ブラジル国籍者の大半は日系ブラジル人だ。その多くが製造業で派遣労働者として働いてきた。しかし、人員削減や生産拠点の海外移転が相次いだ結果、失業した日系ブラジル人の帰国ラッシュが起きているのだ。

 そもそも、なぜ日系ブラジル人が増えたのか。それはバブル期に人手不足が深刻化したからだ。1990年に出入国管理及び難民認定法(入管法)が改正され、日系人の日本での就労、さらには定住・永住も可能になった。以降、南米出身者を中心に日本への出稼ぎが急増したが、とりわけ多く来日したのが日系ブラジル人だった。

 バブル崩壊後も日系ブラジル人の数は増え続け、製造業の盛んな地域では彼らが集住する移民コミュニティも生まれた。日本での暮らしが長くなるにつれ、「出稼ぎ」が「移民」へと変わっていったのだ。その日系ブラジル人社会で今、何が起きているのか。群馬県大泉町などと並び、日本有数の日系ブラジル人社会が存在する岐阜県美濃加茂市で追った。

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執筆者プロフィール
出井康博
出井康博 1965年岡山県生れ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『THE NIKKEI WEEKLY』記者を経てフリージャーナリストに。月刊誌、週刊誌などで旺盛な執筆活動を行なう。主著に、政界の一大勢力となったグループの本質に迫った『松下政経塾とは何か』(新潮新書)、『年金夫婦の海外移住』(小学館)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)、本誌連載に大幅加筆した『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『民主党代議士の作られ方』(新潮新書)がある。最新刊は『襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究』(飛鳥新社)。
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