リチウムイオン電池はどうなるか――「787」トラブルの大きな余波

執筆者:新田賢吾 2013年2月18日
カテゴリ: 経済・ビジネス
 高松空港に緊急着陸した全日空のボーイング787型機の炭化したバッテリー(c)時事[運輸安全委員会提供]
高松空港に緊急着陸した全日空のボーイング787型機の炭化したバッテリー(c)時事[運輸安全委員会提供]

 1月7日に米ボストンのローガン空港に止まっていた日本航空機の機体後方にある補助動力電源装置のバッテリーから出火、1月16日には山口から東京に向かっていた全日本空輸機が機体前方の電気室からの煙の発生によって、高松空港へ緊急着陸――。ボーイングの最新鋭、787型機が搭載するリチウムイオンバッテリーの連続トラブルから1カ月が過ぎたが、原因解明と対策は遅れ、787型機は空を飛べない状態が続いている。787型機を世界に先駆けて導入した全日空、日航は運休など大きな打撃を受けている。

 航空機の機体そのものではなく、バッテリーが共通原因となり、飛行が禁止されるケースは初めてだ。携帯電話、スマートフォンやパソコン、電気自動車などに広く使われているリチウムイオンバッテリーのトラブルは、日常生活に大きな不安を与えている一方、今後生まれる新製品の多くに欠かせないデバイスであるリチウムイオンバッテリー自体の将来にも暗い影を落とし始めている。

 

2006年のノートパソコン炎上事件

 787型機のリチウムイオンバッテリーは1ユニットが8つのセルで構成されているが、高松空港に緊急着陸した全日空機はセルの境目の隔壁や電極などが溶けて、原型をとどめないほど激しく焼けていた。そのまま飛行を続けた場合、機体火災につながった恐れも指摘されている。単なるバッテリーのトラブルではすまされない事故だった。

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