次期ローマ法王「南米」「アフリカ」はあるのか

執筆者:秦野るり子 2013年2月19日
エリア: ヨーロッパ

 ローマ法王ベネディクト16世が、イタリア時間の2月28日午後8時をもって退位する。次期法王を選ぶコンクラーベは、3月中旬には開かれる見通しで、バチカン関係者やイタリアなどのマスコミは、早くも有力候補の話題で持ちきりだ。一方で、約600年ぶりの法王辞任のため、これに備えた法が整備されていないことがわかり、関係者を悩ませている。

 

「漁夫の指輪」と「鉛の印鑑」

 ベネディクト16世が退位を表明した2月11日、バチカンのサンピエトロ大聖堂のドーム屋根に落ちた雷(C)AFP=時事
ベネディクト16世が退位を表明した2月11日、バチカンのサンピエトロ大聖堂のドーム屋根に落ちた雷(C)AFP=時事

 バチカンの憲法ともいえる「教会法」では、第332条第2項で「ローマ法王が辞任する場合には、辞任が自由になされ、かつ正しく表明されなければ有効とならない」と、外部圧力によるものでないことを条件に辞任は認められると規定している。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
秦野るり子(はたのるりこ) 1957年東京生まれ。江戸川大学教授。1982年、読売新聞社入社。経済部に配属され、農水省、流通業界、通産省(現経産省)、日銀などを担当。89年に国際部へ異動。ワシントン、ジャカルタ、ローマ特派員、国際部デスクなどを経て2008年から調査研究本部主任研究員。コロンビア大学ジャーナリズム大学院客員研究員、カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院客員講師も務め、2016年から富山国際大学教授、2019年から現職。著書に『ローマ法王2年目の挑戦』(読売新聞社)、『バチカン』(中公新書ラクレ)、『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』 (中公新書ラクレ)などがある。
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