「日本買い」の条件を整備せよ――アベノミクスの正念場

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2014年4月24日
エリア: 日本
 反対派の巻き返しを防げるか (C)時事
反対派の巻き返しを防げるか (C)時事

 昨年1年間で日本株を15兆円買い越した海外投資家の売りが続いている。日本取引所グループの集計では、1兆1090億円の売り越しだった1月に続いて、2月は829億円、3月は5806億円といずれも売り越しだった。ウクライナ情勢など海外市場が不安定化していることも一因だが、日本の下げの大きさが目立つ。モルガン・スタンレーMUFG証券日本担当チーフ・アナリストのロバート・フェルドマン氏は、海外投資家は安倍晋三首相が改革を具体化できるか疑念を持って見ていることが背景にあると繰り返し指摘している。つまり、日本が投資先として魅力的な国に本当に変われるかどうか、海外投資家はまだ確信が持てていないというわけだ。

 こうした外国人の姿勢は証券投資だけでなく、企業買収や日本への事業進出など「対内直接投資」にも表れている。対日直接投資の残高は17兆5000億円だが、GDP(国内総生産)に対する比率は3.9%に過ぎない。英国は49.8%、フランスは34.7%、米国は23.2%で、ドイツでも20.0%に達するから、まさにケタ違いなのだ。アベノミクスは、この17兆5000億円の対内投資残高を倍増させ35兆円にすることを目標に掲げているが、それでもまだまだ先進国並みとはいかない。外国の資本にとっては、「閉ざされた市場」あるいは「魅力のない市場」ということになるだろう。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
comment:3
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
価値あるバックナンバー
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順