“危機感”募らせるロシア中距離核ミサイル再配備へ暴走か

執筆者: 2006年6月号
エリア: 北米 ヨーロッパ

 冷戦終結のシンボルでもあった米ソ中距離核戦力(INF)全廃条約から撤退し、再度中距離核ミサイルを保有する動きがロシアから出ている。 イワノフ国防相は先頃、「あらゆる諸国が中距離ミサイルを保有し始めており、持っていないのは米露だけだ。条約は現在の国際安全保障環境に合致していない」と述べた。再配備論は軍幹部や学者の間からも出ている。 中距離ミサイルは射程五百―五千五百キロのミサイル。一九八七年にレーガン、ゴルバチョフ両首脳の間で調印され、米ソはその後数千基のミサイルを全廃した。ところが冷戦終結後、イラン、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮などが次々に中距離ミサイルを保有。中国も続々増強している。

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