農業復興途上の南相馬市を襲った「原発粉じん」問題への怒り

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2014年8月6日
カテゴリ: 社会
エリア: 日本

 7月半ば、福島第1原発から新たな問題が降ってわいた。原発事故現場のがれき処理から生じた粉じんが、福島県南相馬市などに飛来したというのだ。懸命な農業復興の途上にあるこの地域の農家は、怒りと困惑を隠さない。

 

昨年産に「基準値超え」出る

「平成26年度調査田 野馬追の里・おひさまプロジェクト」。こんな大きな看板が、南相馬市原町区太田地区の道路脇にある。見渡す限り緑の田園風景だが、ほとんどが生えるがままの雑草だ。そのほんの一角、計4.2ヘクタールの田んぼだけに稲の葉が伸びている。

 すぐ近くのこんもりとした森は、有名な相馬野馬追の出陣地の1つ、相馬太田神社。朝靄の中、苗田の1本道を駆けていく騎馬武者の姿が夏の風物詩だった。が、20キロ南にある福島第1原発の事故が起きた2011年以後、稲作は市内全域で自粛されてきた。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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