人気凋落が止まらない「公認会計士」業界の惨状

磯山友幸
執筆者:磯山友幸 2015年1月9日
エリア: 日本
 舵取りが問われる日本公認会計士協会の森会長(C)時事
舵取りが問われる日本公認会計士協会の森会長(C)時事

 東京・渋谷にある青山学院大学で昨年12月20日、同大学大学院会計プロフェッション研究科が主催する公開シンポジウムが開かれた。毎年恒例のイベントで、今回で9回目となる。だが、冒頭あいさつに立った同科研究センター長の小倉昇教授の表情は冴えなかった。

「本来ならば、会場の後ろ半分は学生たちで埋まって欲しいのだが」

 公開シンポジウムが始まった2006年に比べて学生の数はめっきり減少。会場には第一線で活躍する会計士や学者などベテランの姿が目立った。

 シンポジウムで基調講演した森公高・日本公認会計士協会会長の示した資料は衝撃的だった。会計士試験の受験者が2010年をピークに激減しているグラフがまっ先に掲げられていたからだ。2010年に2万5648人に達していた受験者数(願書提出者)が、2014年は1万870人と半分以下になったのだ。受験者数の減少はまさにつるべ落としの状態だ。

 大学院の教授が学生減少を嘆くのと、受験者の激減は表裏一体だ。公認会計士を目指す学生がめっきり減ってしまったのである。もちろん、背景には少子化によって学生の数自体が減っていることがある。だが、原因はそれだけではない。実は、試験制度の運用の失敗が大きく響いているのである。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
磯山友幸
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)などがある。
comment:1
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛
逆張りの思考
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順