国際論壇レビュー
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南シナ海「新常態」:「緊迫」の裏にある微妙な国際関係

会田弘継

 日本の安倍晋三首相が4月末から5月初めに米国を公式訪問し、日米同盟の結束強化を図れば、中国の習近平主席は、主要国がボイコットしたロシア主催の5月9日の対独戦勝70周年記念式典でプーチン大統領と肩を並べた。直後、中ロ海軍は、地中海ではじめて合同演習を行っている。それから1週間も経ず、インドのモディ首相が就任後はじめて訪中し、中国がインドのインフラ建設などで100億ドルに及ぶ事業協力をすることで合意、国境地帯での衝突回避の具体策なども決めた。

 一方、大国首脳外交の傍らで、トルコ艦隊が香港・上海に寄港、フランスも中国への売却話が持ち上がっているミストラル級強襲揚陸艦を旗艦とする艦隊を上海に送り込み、いずれも憶測を呼んだ。
 こうした動きすべてが、世界が新たな秩序を模索していることを示唆している。人々がその背後に感じるものを言い表す言葉があるとすれば、それは「地政学」(geopolitics)だ。

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執筆者プロフィール
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)など、近著に『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)がある。
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