「国際機関」の機能と限界とは:国連「第70回総会」が開幕

鈴木一人
執筆者:鈴木一人 2015年10月9日

 9月2、3日に本サイトで「『イラン核合意』の行方」と題した記事を2本書かせていただきましたが、このたび「国際機関の部屋」を設置していただき、国連安保理のイラン制裁専門家パネルでの勤務を通じて見聞きしたこと(業務上入手した秘密は除く)を踏まえ、国際機関の現在や仕組み、実際の動きなどを書かせていただくこととなりました。国際機関といっても国連のような普遍的な機関だけでなく、UNHCR(国連難民高等弁務官)事務所などの専門機関、またEU(欧州連合)などの地域機関も合わせて視野に入れていきたいと考えています。

ハイレベル・ウィーク

 さて、9月15日から第70回国連総会が開会し、9月28日からはハイレベル・ウィークと呼ばれる、世界各国から首脳が集まる国連総会演説が行われた。毎年行われる首脳級演説だが、今年はオバマ大統領だけでなく、習近平国家主席が初めて、プーチン大統領も2005年以来の出席ということもあり、世界的な注目が集まった。さらに、核合意を結んでから最初の首脳級演説ということで、イランのロウハニ大統領、イスラエルのネタニヤフ首相への関心も高かった。さらにこれまでは国連の正式な加盟国ではなく、国連本部に国旗が掲揚されていなかったが、今年からオブザーバーの旗も掲揚することになったので注目が集まったパレスチナ自治政府(国連ではState of Palestine)のアッバス議長は、事前に「爆弾発言」をするといって話題を作っていた(結局イスラエルの態度が変わらなければオスロ合意を破棄するという話で、やや肩透かしだった)。

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執筆者プロフィール
鈴木一人
鈴木一人 すずき・かずと 北海道大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授を経て、2008年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、『EUの規制力』(日本経済評論社、共編)、『技術・環境・エネルギーの連動リスク』(岩波書店、編者)などがある。
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