「宜野湾市長選」直前:沖縄の将来に立ちはだかる「本土」の壁

執筆者:吉野源太郎 2016年1月22日
エリア: 北米 日本

 米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市長選挙が2日後(24日)に迫った。沖縄は今、緊迫感に包まれている。

 選挙戦は普天間飛行場の名護市辺野古への移設を目指す安倍政権が自民党系現職、佐喜真淳候補を支持し、翁長雄志知事が応援し、辺野古への移設反対を訴える志村恵一郎候補(志村陣営は辺野古「移設」を「新基地建設」と呼ぶ)との一騎打ち。地元紙の世論調査では、情勢は直前になった今も拮抗して予断を許さないが、結果がどちらに転んでも影響は甚大だ。

 佐喜真氏が勝てば、沖縄と基地の問題を超えて波紋は多方面に広がるだろう。政府は地元住民の抵抗を排除して移設作業を強行するだろうから、場合によっては流血の事態も危惧される。首相は自身の政策が支持されたとして、今後の政権運営全般に一層、強気の姿勢で臨むことは確実だ。念願の憲法改正への動きが一気に早まることも予想される。

 逆に志村氏が勝てば、基地への抵抗と日本政府の基地政策への反感は名護市や宜野湾市にとどまらず全島規模で勢いを増すに違いない。移設予定地の埋め立て工事はさらに難航が必至だ。政権への打撃は大きく、今夏の参議院議員選挙への影響は避けられないばかりか、今後の日米関係も難しい課題を抱えかねない。

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執筆者プロフィール
吉野源太郎 ジャーナリスト、日本経済研究センター客員研究員。1943年生れ。東京大学文学部卒。67年日本経済新聞社入社。日経ビジネス副編集長、日経流通新聞編集長、編集局次長などを経て95年より論説委員。2006年3月より現職。デフレ経済の到来や道路公団改革の不充分さなどを的確に予言・指摘してきた。『西武事件』(日本経済新聞社)など著書多数。
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