中国は「蔡英文の台湾」をどう虐めていくのか

執筆者:村上政俊 2016年1月29日

 台湾外交部の建物に一歩足を踏み入れると、色とりどりの国旗が出迎えてくれる。「青天白日旗」(国民党旗)をデザインの基調とする中華民国旗を除くとその数は22であり、台湾が国交を結ぶ国の数と一致する。中国共産党が「1つの中国」原則に固執していることから、中台を二重承認している国家は存在せず、中国と台湾は経済援助を武器に互いに国交国を奪い合ってきた。現在の国交国22カ国の地域別の内訳は、中南米カリブ海12、大洋州6、アフリカ3、欧州1であり、前3地域の小国が争奪戦の主戦場だった。しかし、中国経済の急成長以降、台湾は劣勢を強いられ、陳水扁政権発足時(2000年)は29カ国だったが、任期8年間で23カ国にまで減少した。

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執筆者プロフィール
村上政俊(むらかみまさとし) 1983年7月7日、大阪市生まれ。現在、同志社大学嘱託講師、同大学南シナ海研究センター嘱託研究員、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。東京大学法学部政治コース卒業。2008年4月外務省入省。第三国際情報官室、在中国大使館外交官補(北京大学国際関係学院留学)、在英国大使館外交官補(ロンドン大学LSE留学)勤務で、中国情勢分析や日中韓首脳会議に携わる。12年12月~14年11月衆議院議員。中央大学大学院客員教授を経て現職。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国 』(石平氏との共著、ワック)。
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