台湾外交部の建物に一歩足を踏み入れると、色とりどりの国旗が出迎えてくれる。「青天白日旗」(国民党旗)をデザインの基調とする中華民国旗を除くとその数は22であり、台湾が国交を結ぶ国の数と一致する。中国共産党が「1つの中国」原則に固執していることから、中台を二重承認している国家は存在せず、中国と台湾は経済援助を武器に互いに国交国を奪い合ってきた。現在の国交国22カ国の地域別の内訳は、中南米カリブ海12、大洋州6、アフリカ3、欧州1であり、前3地域の小国が争奪戦の主戦場だった。しかし、中国経済の急成長以降、台湾は劣勢を強いられ、陳水扁政権発足時(2000年)は29カ国だったが、任期8年間で23カ国にまで減少した。

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