国際論壇レビュー

「オバマ外交」は「リアリズム」か「孤立主義」か

 アジア重視策の柱である環太平洋連携協定(TPP)の署名式も終え、国交を回復したキューバを米大統領として88年ぶりに訪問した。自ら主導した「核安全保障サミット」の最後の会合も世界の首脳を招いてワシントンで開いた――。

 2期8年に及ぶオバマ外交もいよいよ「まとめ」の段階に入ったところで、それを総括する長編の分析が老舗論壇誌『アトランティック』4月号に掲載され、米首都ワシントンでセンセーションを巻き起こしている。タイトルは「オバマ・ドクトリン」。

 なぜ、オバマはアメリカが「世界の警察官」であることを止める決断をしたのか。その論理は。その心理は。同誌のスター外交記者ジェフリー・ゴールドバーグがここ数年にわたり何度も重ねてきたオバマとの単独会見を基に政権幹部とのインタビューも加え、えぐり出す。同誌ではここ十数年来で最長という大型記事だ。【The Obama Doctrine, The Atlantic, April

カテゴリ: 政治 社会 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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