バカラの帝王「大王製紙」創業家VS経営陣「お家騒動」の行方

大西康之
執筆者:大西康之 2016年4月14日
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融
エリア: 日本

 業界4位の大王製紙との合併を狙う同5位の北越紀州製紙と、徹底抗戦する大王製紙――。複雑な因縁と怨念にまみれた両社の争いは目下法廷闘争にまで発展し、その攻防は業界で「仁義なき戦い」と呼ばれ、関係者は固唾を飲んで成り行きを注視している。

 上場企業の現職会長による100億円以上のバカラ賭博借金をめぐる特別背任という、世間を驚愕させた前代未聞の事件から4年半。息子・意高(もとたか)の事件で会社を追われた大王の「中興の祖」、井川高雄は北越紀州側に付いた。一方「脱創業家」を掲げる大王の現経営陣を支えるのは、高雄・意高親子を除く「井川一族」の面々だ。血で血を洗う抗争の果てに、生き残るのはどちらか。東京地裁で争われている複数の関連訴訟は、いままさに佳境を迎えている。

 

門前払いされた筆頭株主

 昨年4月下旬、北越紀州社長の岸本晳夫(せきお)宛に、懇意にしている四国の取引先から1個のダンボール箱が届いた。中には防弾チョッキと防刃チョッキが1着ずつ入っており、「お気をつけて」とメッセージが添えられていた。

 岸本は大株主の立場から何度も大王製紙社長の佐光正義に面談を申し込んだが、佐光は「会いたくない」の一点張り。業を煮やした岸本は、愛媛県四国中央市の大王本社に乗り込むことにした。ダンボール箱が届いたのはその数日前のことだった。

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執筆者プロフィール
大西康之
大西康之 経済ジャーナリスト、1965年生まれ。1988年日本経済新聞に入社し、産業部で企業取材を担当。98年、欧州総局(ロンドン)。日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年に独立。著書に「稲盛和夫最後の闘い~JAL再生に賭けた経営者人生」(日本経済新聞)「会社が消えた日~三洋電機10万人のそれから」(日経BP)など、そして最新刊に「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア 佐々木正」(新潮社)がある。
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