業界4位の大王製紙との合併を狙う同5位の北越紀州製紙と、徹底抗戦する大王製紙――。複雑な因縁と怨念にまみれた両社の争いは目下法廷闘争にまで発展し、その攻防は業界で「仁義なき戦い」と呼ばれ、関係者は固唾を飲んで成り行きを注視している。
上場企業の現職会長による100億円以上のバカラ賭博借金をめぐる特別背任という、世間を驚愕させた前代未聞の事件から4年半。息子・意高(もとたか)の事件で会社を追われた大王の「中興の祖」、井川高雄は北越紀州側に付いた。一方「脱創業家」を掲げる大王の現経営陣を支えるのは、高雄・意高親子を除く「井川一族」の面々だ。血で血を洗う抗争の果てに、生き残るのはどちらか。東京地裁で争われている複数の関連訴訟は、いままさに佳境を迎えている。

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