クリントンVS.トランプ「ヘルスケア政策」の格差

大西睦子
執筆者:大西睦子 2016年7月19日
エリア: 北米
どちらの政策が支持されるか(C)AFP=時事

 

 11月の米大統領本選挙に向けた候補指名獲得争いは、共和党はすでにドナルド・トランプ氏が、民主党もヒラリー・クリントン氏が事実上、確定しています。今後、本選挙キャンペーンにおいて、ヘルスケア政策は非常に重要であり、実際、これまでも大統領選では毎回論争の的になっています。トランプ氏とクリントン氏もそれぞれの政策を掲げていますが、多くの米国人は、トランプ氏の政策は果たして米国民の健康を促進できるのか、懸念を感じています。そこで、両候補者のヘルスケア政策を比較してみます。

 

所得による寿命の格差

 政策を比較する前に、まずは米国人の「寿命の格差」を見ておきましょう。

 これまで多くの米国人が、貧富の差が寿命に影響を及ぼしているのではと感じてきましたが、諸外国との単純な寿命の比較データはあっても、国内における所得と寿命の因果関係を示す比較データはありませんでした。

 そんな中、今年4月、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究者らが共同で、2001~2014年にかけて延べ約14億人の米国人を対象に所得と死亡率の因果関係を調査し、その結果を「貧富による寿命の格差」として論文にまとめ、『米国医師会雑誌(JAMA)』で報告しました。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
大西睦子
大西睦子 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
comment:8
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順