「3つの柱」を打ち出した英国「メイ新政権」の外交戦略に学べ

村上政俊
執筆者:村上政俊 2016年8月13日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: ヨーロッパ 日本

 国民投票でEU(欧州連合)離脱を決めているイギリスのテリーザ・メイ首相は議会下院で、核抑止で重要なのは核を使用する用意があると敵に知らしめることだと述べ、安全保障上の危機が訪れれば「核のボタン」を躊躇なく押す姿勢を鮮明にした。
 イギリスは、保有する唯一の核戦力である潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)トライデントをヴァンガード級原子力潜水艦4隻に搭載し、スコットランドのクライド海軍基地に配備している。7月18日、議会下院(定数650)は、賛成472、反対117でこの原潜の更新計画を承認。イギリス政府は、少なくとも310億ポンドを投じ、2028年をメドに順次更新する。
 メイは、安全保障上の脅威としてロシアと北朝鮮を挙げ、核戦力保持はイギリスを守るだけでなく同盟国と世界にとって重大であるとした。その上で、更新に反対したスコットランド国民党(SNP)のケレバン議員から、10万人の罪のない男女や子供の命を奪う核兵器を使用する心構えがあるかと問われると、あると即答した。これに対して、国際社会から核兵器の保有を認められていない北朝鮮は、朝鮮戦争(1950年)では両国は戦ったが、現在は自分たちはイギリスの脅威ではないと反論している。

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執筆者プロフィール
村上政俊
村上政俊 1983年7月7日、大阪市生まれ。現在、同志社大学嘱託講師、皇學館大学非常勤講師、桜美林大学客員研究員を務める。東京大学法学部政治コース卒業。2008年4月外務省入省。国際情報統括官組織第三国際情報官室、在中国大使館外交官補(北京大学国際関係学院留学)勤務で、中国情勢分析や日中韓首脳会議に携わる。12年12月~14年11月衆議院議員。中央大学大学院客員教授を経て現職。著書に『最後は孤立して自壊する中国 2017年習近平の中国 』(石平氏との共著、ワック)。
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